平尾台びより Day.2 「出会いの話」
まだ1月だというのに、タンポポが咲いていました。宿の裏にちいさな庭があって、通りかかりに遠くから黄色がぽつぽつしています。近くに寄ってみるとたくさんの花が群れていました。その場所は春先に蕗の薹が芽吹くのですが、私はタンポポの方が好きです。雑草の部類に含まれることがおおく、踏まれることも多いのですが、一度や二度、踏まれても次の日には何事もなかったかのように凛としています。それに、暖かい日が数日続くと冬でも色を運んでくれるので。

今回は前回の続き、平尾台に出会った話をするつもりだったのに、つい春が待ち遠しくてタンポポの話をしてしましました。出会いの話は書かなくてもいいかな、と思ったのですが、「ひらおだいびより」がはじまるきっかけにもなるので、書いてみます。長ければ飛ばしてくださいね
確か、平尾台に出会ったのは、私が仕事を辞めた時です。実は国語の先生を7年ほどしていました。タンポポ一つで語れてしまうのもその時があったからですが、まぁ、色々あってやめました。この話は、またいつか。
それで、話を戻すと、先生をしている時から、山登りによく行っていました。福岡県の山々を休みのたびに歩いていたのですが、月に1回程度の休みしかなかったので、行きたくても行けませんでした。仕事を辞めたのをいいことに、毎週末、いえ、週5で山に出かけていました。自分でも初めてのことだったので驚いたのですが、大きなものから飛び出ると、まるで鳥のようにどこへでもいける気になります。羽なんてないのだけど代わりに足がありますから、森の中や、河辺はもちろんのこと、海を越えてアメリカのトレイルまで行きました。

山がきっかけで色んなところに行ったのですが、その時に平尾台に出会いました。初めて来た時は九州にこんな景観があるとは知らなかったので、次の日も歩き回った記憶があります。居着くことになったのは、それからです。平尾台の人たちに出会って、いいな、が積み重なって、ここに居着くことになりました。急に、冬から春に変わることがないように、今も変わっている出会っている最中な気がしています。だから、平尾台の人、になった感じはありません。
たぶん、たんぽぽも同じだと思います。平尾台のたんぽぽなんですけど、たんぽぽは平尾台なんて関係なく花を咲かせようとしているので。私もたんぽぽみたいに咲かせたいです。
長くなりましたが、以上が出会いの話です。今では週5ではなく、週7で山にいる日々です。
夢が現実になりました。ぼちぼち夢を頭に抱いて歩けば、到達するらしいです。ではでは、次回もお楽しみに〜
原田優
